運勢に保険を掛ける戦法

私はよく「この鑑定は“健康診断”だと思ってください」と言います。

健康診断とは「健康かどうかを診断する」ものですから、すでに病気を抱えたと自覚のある状態で来られるのはちょっと違います。
大きな病気と判定される時は大抵何かしらの【症状】が出て検査に行った時です。
そうなってしまうと、病から回復する為に様々な実生活を犠牲にしなければいけません。

それに比べ、症状がなく、ただ何となく健康診断を受けてみたら、早期発見&日帰りレベルの完治、実生活に影響ないうえに、保険のお陰でちょっとお小遣いがもらえた等と、Wにもトリプルにもご褒美を頂き、未来に発病しやすい病気のリスクにも気付ける結果になる事もあります。

私はそんな「棚ぼた的健康診断」を実感していただく事を最終目的としてこの鑑定を続けています。

ただ、実際鑑定を受けられる方は、どんな方でも初めは何かしら【問題を抱えている状態】で鑑定を受けに来ます。
そりゃそうです、幸せなら占いなんて受けようと思いません。
興味で受けてみようと…という人も、話を聞くと何かしらの欲を持って鑑定に来られます。

なので、初回はどうしても目の前の症状の改善に時間を費やす事も多くなりますが、ひと段落して心も落ち着いた後になってやっと、私の言う「健康診断」に気付かれる事が多くなり、その結果「数年ぶりに現状確認に来ました…」という方も多くなります。

鑑定の回数は少なくても、知り合ってからの時間が長いと、その間に何が起きたかを察する事はできるので、より一層未来の計算もしやすくなるので、私はマメに鑑定に来られるよりも、やはり健康診断的なペース(年1回程度)で来られた方が、これから起こる問題の早期発見・早期解決を目指せ、健康的な運勢を保つ事ができると考えます。(逆に3年以上空けてしまうと自己免疫だけで長期療養してました、みたいな方も増えるので空けすぎも勿体ないです)

これらの話は基本的に「個人の運勢」に関してですが、これが「他人についての鑑定」となると、他人の代わりに健康診断を受ける訳にはいきません。
自分の鑑定であれば、「こうした方が良いかも…」と考えられても、他人に「こうしてくれ」とお願いしたところで、人が変わる事はありません。

そもそも、「相談者は問題と思っていても、問題とされている人に悪意がない」なんてことはよくある話で、その問題とされている人の向きを修正したい場合、その相談者ができる範囲でその問題児の操縦法を伝える事になるのですが、全てが相談者の得に繋がるとは限らず、「こちらも痛い目を見ますが、それをしないと想像通り流れは悪くなる」なんてこともザラです。
その場合、「ここまで状況が進んでしまったら行動しましょう」と少し時間をかけて心を決めてもらうのですが、不思議な事に、そこまで話が進むと、相談者が行動を起こすタイムリミット前に、何かしら状況が変化し、相談者の希望に近い形に勝手に収まる確率が上がる事が多くなります。

もちろん、問題を起こす人の運勢も計算して計画を立てるので、色々な相乗効果でもあるのですが、こういった相談者がいる事によって、問題児が最悪な選択をしにくくなる流れが生まれてくる。
運勢は予定通りに流れてきますが、その影響力の大小は些細な事で地味に最悪の事態を避ける流れになる。
それに気付けた人はこの「保険」さえ掛けていれば、自分が損する事も、他人の最悪な選択に引きずられて一緒に沈む事も避けやすくなる。

表現が回りくどくなってしまいましたが、結局、人や社会と関わる以上、第三者の運勢の影響も大きく受けてしまいます。
自分の運勢に保険を掛ける事は簡単でも、第三者の運勢からの影響に保険を掛けるのは不可能。
でも、身近な第三者であればある程、自分が意識を高く持つ事で、第三者に悪い選択をさせない気の流れを作る事はできるというのは確か。
ただ、この「意識を高く持つ」がちょっと難しく、共倒れする人も多いと思います。
ただそういう人は、その不幸を第三者のせいにする目糞鼻糞のレベルと思うべきかと…

人は変わりませんが自分は変われます。
人からの悪影響を受けたくなければ、まずは自分の意識を落とさない事。

でも「人を救いたい」というのは自分が相手の位置まで下がる事で喜びを得る目糞鼻糞って事もあるので要注意です。