怪談話を持つタクシー運転手は霊感が強いのか?

職業柄?、オカルトや怪談は“そこにあるモノ”という感覚なので、あまり不思議に思いません。
なので、辻褄の合わない事が起きても、「まぁ、あるよね」って飲み込めてしまうし、人怖に関しても、ヤバい人を分析するのが仕事でもあるので、リアルに『怖い』と感じる事はあまりないかも知れません。

そんな話をしていると、「霊感があるの?」と聞かれます。
その度私は「おばけと認識できるモノを見た事はない」と言いかえて答えます。なぜなら【霊感=オバケが見える】と思われているから。
でも、霊感ってそもそもそういうモノではなく、誰にでも備わっている感覚で、オバケとして見えていないから、単純に気付いていないだけで、気付ける切っ掛けがあれば誰にでも、何かしらの霊感を持っていることを実感できます。
そして誰もが持っている霊感が自然と発揮されやすい「例」として、「タクシー運転手」の話をよくします。

怪談師の方が怪談を集める時に必ず声をかける人に「タクシー運転手」がいると思います。
実際、タクシー運転手の怪談「乗せていたはずのお客さんが消えた」的な話、誰もが一度は聞いた事があるはず。
じゃあ、タクシー運転手には霊感が強い人が多いの?って流れになると思うのですが、それは違います。
単純にタクシー運転手という職業が“持っている霊感を磨きやすい”んです。

本当の意味で霊感を磨くには五体満足を崩せばよい、と言われます。
五感や体の一部を失うことで強い霊感を得る事ができるという事です。
実際にメディアに出ていた霊能者と言われる方には、そういうエピソードを持つ人が多いですし、家系で代々そのような力が強い人は、健康を損なったり、早くに亡くなることが殆どです。

ただ、ごくごく一般の人が、強い霊感を持つ為に命を削るまでの犠牲を払う必要もないし、そもそもオバケが見える力なんて無い方が生きやすいのですから、見えない世界や霊感への憧れの為に、妙な真似はしない方が良いです。ましてや、オバケを見たくて危険な場所に行き“憑りつかれる”ような形で健康を損ねるなんて論外。

じゃあ、もともと持っている霊感が磨かれてしまう環境ってどんな環境か?

それは「命の危機を感じる環境」です。

そう、極端な話をすれば、戦地で戦う兵士など、明日の命の保証もないような鬼気迫った環境にいれば、自然と霊感が磨かれます。
というか、そういう感覚を磨かないと、助かる命も助からなくなるので、無意識に見えない何かを感じる力が発揮されてしまうという訳。

ただ、お陰様で今の日本は人が亡くなるような戦争をしていません。
ではどんなシーンが命の危機に繋がるかも知れない恐怖でしょう?

人がまず恐怖を覚えるのは、逃げ場のない場所。
そこで一方的に攻撃されたらどうしようもありません。
ただ、良く知っている人なら攻撃される可能性はかなり低いですから、その人と密室に2人きりでも普通は恐怖に感じません。
しかしその相手が「不特定多数の誰か」で、なおかつ無条件に受け入れなくてはいけないとしたらどうでしょう?
間違いなくそれを受け入れる側は、その人がどんな攻撃をしてくか分からない、最悪な事件も起こる可能性がある…という、この人に命を取られないか?という無意識レベルのジャッジをしているはず。だから、そんな環境に置かれている人は、無意識に霊感が強くなりやすい。
狭い個室で誰が来るか分からずお客さんを待つ仕事や、お客さんの宿泊しているホテルに奉仕にいくお仕事をされる方などはこういった感覚を常に抱いて仕事をしていると言えます。

そんな仕事の中でも、特に不思議な事が多くなるのが「タクシー運転手」
色々な人を、色々な場所で、ほぼ無条件に受け入れなくてはいけない立場ですから、感性のある人は自己防衛の意味でどんどん勘が鋭くなり、その感性のチューナーが合ってしまうと、生きている人でも死んでいる人でも、自分に害を与えてこない人であれば、本当に疑うことなく、リアルに見えてしまうようになる。なので、タクシー運転手が体験した話で聞く怪談には優しさを感じるエピソードの方が多い。
あくまでも私の考察ですが、正しく霊感を強くしたいのであれば、こういった緊張感の続く環境に長い期間をかけて居続けるのが一番安全で確実です。もちろん、こういった環境でも全く緊張しないマイペースな人はそもそも危機管理の感性が弱いので磨きがかかりません。

実際私も狭い個室で視界だけ制限されている環境にいると、気配にはとても敏感になります。
短時間に大勢の不特定多数の人を流れ作業的に鑑定している時も、逆にその空間で長い時間お客さんを待っているだけの時も、通常ではない位、脳が熱くなる感覚がずっとありますが、自分のオフィスで鑑定をしている時にこの感覚はありません。
てっきり脳が熱くなるのは鑑定で脳を使っているから、と思っていましたが、鑑定で使う第六感みたいなものと、危険を回避する為に研ぎ澄まされている第六感は「似て非なるモノ」というのが私が出した結論です。

ただ、この危機管理能力的な第六感、磨けたところで結局面倒な事に気付くだけなので、ある程度自分の人生に役立つ程度までで、それ以上トレーニングするのはオススメしません。
実際、色々な方がスピリチュアル系のトレーニング関係の本や体験談を出していますが、やはりある程度でやめた方が良いと言ってる人の方が本当に経験した人なんだな、と感じます。

全体数からいうと少ない件数になるとは思いますが、タクシー運転手に不思議な体験が多くなるのは、こういった心理的環境によって感覚が研ぎ澄まされる結果、危険ではないモノとチューナーが合ってしまうからで、それは決していかにもオバケっぽい恐ろしいモノではない。というのが私の考察。
ってか、これを他の運転手に置き換えると、飛行機のパイロットが見ている「未確認飛行物体」も、それに近い現象の可能性はあるかも知れません。